2019年9月7日土曜日

夏季休暇中の生活費確保の方法

以下、いつか誰かのためになればと思い、米国博士課程の夏休みの生活費を確保する方法を記す。ただし、これは私が在籍するプログラムの事例である。人文社会科学系のPhD課程では、基本的には似ているだろうが、大学や所属学部によって違うところも多々あると思う。また、私は私立大学に所属しており、州立大学に所属している方に比べると、経済的には恵まれていると思われる。さらに、理工系の方とは大きく状況が異なるとも思う。

基本的に、アメリカの大学のアカデミックイヤーは9ヶ月(9月-5月)であるので、給料も9ヶ月分で計算されている。これは院生も教員も同じである。よって、教員は6-8月の3ヶ月は別の大学で勤務しても、企業で働いても、問題ないことになる(たぶん。詳しくは経験者のせんせ)。ちょっとよくわかっていないところもあるが、中国人のスーパースター教授が夏に長期で中国の大学で教えていることがあるのはこういうことだと思う。

さて、院生はどうなるか?もちろん、院生は教員のように高給取りではないので、夏に給料がなくなると困る。よって、入学前のオファーレターで夏季休暇の間のフェローシップ(=TAやRAとは関係なく貰えるお金)が保障されている。また、医療保険と歯科保険に関しては、最初から9ヶ月ではなく、1年分保証してくれている。とはいっても、給料は学期中は最低毎月3000ドル程度(2018年度)なのに対して、夏はその5割強程度の毎月1700ドル程度(2018年度)であり、家族構成やハウジングコストによっては夏の間の収支がマイナスになりかねない(日本の感覚だと院生にしては給与高く思われるかもしれないが、米の都市部は物価が高い!)。また、例えばエスノグラファーが夏にフィールドワークに行く(日本の博士課程と違い、学期中はコースワークで忙しいのでフィールドにいけない)には全く足りない。どうやって夏を乗り切るか?以下の解決策が考えられる。

(1)サマーメンタードリサーチ/RAをする
社会学部特有のプログラムで、主に博士課程1-4年生対象である。夏に入る前にアンケートがあり、希望に応じて、教員(メンター)と院生をマッチアップし、夏に10週間程度教員と共同研究をすることで、給与をプラスしてもらえる。場合によるが、学期中の80%くらいにまで給与が回復する。もちろん、RAとして働く人もおり、基本的には同じことである。教員との関係を築く良い機会にもなる。私もこのプログラムにお世話になっている。

(2)大学内部の機関のサマーフェローになる
大学内部には様々なセンターがある。こうした機関で夏のフェローを募集していることがあり、フェローとして採用されることで、学期並み?の給与が手に入る。例えばこれまでにみたものではSwearer Centerというブラウンの学生センターがサマーフェローを募集していた。こうしたセンターのフェローになることによって発生する義務は様々である。

(3)大学内部の機関のサマーグラントを獲得する
ブラウンにはInstitute at Brown for Environment and Society(IBES)、Watson Institute for International and Public Affairs (Watson)、Population Studies and Training Center(PSTC)等の社会学の院生がサブで所属している機関が多数ある。私もこの一つのPSTCの一員である。こうした機関では、院生用に夏の研究グラントを用意している場合が多い。特に海外(=米国外)でフィールドワークをするためのグラントはたくさんある。採用されれば、そのお金で、海外に行き、そこでフィールドワークをできる。もちろん研究グラントなので、直接生活費には当てることはできないだろう。しかし、「海外」と言っても、出身国に帰国することと同義な院生がほとんどで、留学生のエスノグラファーが多い私の同期では一番多い夏の生活費獲得方法である。なお、研究構想が固まっていないPhD一年生向けのフィールドワークグラントもある。

(4)高校生向けサマースクールで教える
アメリカの大学は、(世界中の高額所得者のご子息のお金を吸い取るために)夏にとてつもない学費がかかるサマースクールを実施しているところがある。ブラウンはその一つである。基本的な対象は高校生で、中国や韓国を含め、世界中から生徒が集まる。講師の一定数は大学院PhD課程の院生であり、結構良い給料がもらえるらしい。なお、サマースクールを受講した生徒から学部進学のための推薦状を頼まれることがあるとのこと(by ルームメイト談)。

(5)通年のフェローシップ(e.g., 日本の奨学金)を獲得する
これが一番理想だろう。留学生なら母国からの給付型奨学金がこれに当たるだろうし、アメリカに来てからでも応募できる日本/米国内の財団のフェローシップもある。大学から保証されているサマーフェローシップとの併給やサマーメンタードリサーチ/RAとの併給を許してもらえるかは交渉が必要な場合もある。

(6)大学外部で仕事/インターンを見つける
大学外でインターン等として雇われて過ごして、そこで+αを稼ぐ人もいる。特に非アカデミア就職を考えている場合や、自分自身の研究と関連する研究所で働ける場合にとても有効な手段となるであろう。アメリカ永住権やアメリカ国籍を持っていない場合は、ビザで問題が起こらないようにしなければならない。

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