2018年1月17日水曜日

米生活ログ(4) 秋学期終了&冬休みもうすぐ終わり!

またまた投稿の間隔が空いてしまったが、簡単に近況報告をしておく。まず、先月12月15日に最後のレポートを提出して無事に1学期目(Fall Semester)が終了した。

ロックフェラー図書館の大学院生自習室からの眺め

冬休み中は12月23日から1月14日まで日本に帰国し、東京と京都でとにかく休んでいた。三日前に日本から戻って来てからは毎日ブラウンのロックフェラー図書館まで来て研究書を読んでいる。ちなみに上の写真は先ほどこの投稿を書きながら撮影した図書館の自習室からの写真だが、写真の右手奥に見える高い塔がある建物はFirst Baptist Churchで、アメリカ合衆国で一番初めに作られたバプテスト派の教会である。Wikiによるとロジャー・ウィリアムズはこの場所で説教していたらしい(ウィリアムズが説教していたのは17世紀だが、今の教会堂ができたのは18世紀)。ブラウンもこの教会と関係が深いようで、歴史的にはバプテスト派の学校である(ちなみにハーバードやイェールは会衆派、プリンストンは長老派、デュークがメソジスト派。日本だと関東学院がバプテスト派、同志社が会衆派、関学や青山学院がメソジスト派)。なお、南部バプテストのイメージでバプテストに神学的に保守的なイメージがある方もいると思うが、プロビデンスのバプテストはいわゆる北部バプテストで南部とは歴史的に一線を画している。塔の後ろにある(重なって見えている)大きな白い建物はロードアイランド州の州議会堂である。

成績も出て、全て最高評価のAがもらえた(ブラウンは他の多くの大学と違いGPAがなく、ABCの三段階評価もしくはPass/Failである)。また、昨日、社会学研究科からの僕のこれまでのパフォーマンス(成績や研究等の総合評価)の中間評価も送られて来て、"good standing"(四段階中で一番高い評価)とのことであったので、来学期も問題なく博士課程を継続できるとのことであった。ちなみに学期ごとに個々の授業の成績とは別に全体パフォーマンスの評価があるのは初めて知ったのだが、こちらの方が重要なようで、good、satisfactory、warning、terminationの4段階評価のうち、satisfactoryを取り続けるとwarningとなり、warningをとると給料(奨学金)が減額され、terminationで退学になる模様だった。なお、ここでの退学はパフォーマンス不良による退学であって、不正行為等によるものとはまた別概念である。ただ、おそらく1年生の段階ではほぼ全員が"good"なのではないかと思う。

来週から春学期(Spring Semester)が始まる。来学期のコースワークはもう確定していて以下を履修する予定である。

SOC 2050 Contemporary Sociological Theory(必修・木曜9時-12時) :現代社会学理論。先学期のClassical Sociological Theoryの続き。担当教員は学部長で、シニアの教授。先学期は主にマルクス、デュルケーム、ウェーバー、デュボイス、ポランニだったのだが、今学期はフーコー、ハーバマス、ブルデュー、グラムシらしい。主に言語的問題(英語読むの遅い)で、先学期は苦労した。今学期も一番苦労しそうな授業である(+一番興味がない)。

SOC 2020 Multivariate Statistical Methods Ⅱ(必修・火曜9-12時  Stata実習 火曜16-17時30分) :多変量解析。先学期のⅠの続き。先学期は基礎統計学を一通り勉強した後、重回帰分析の諸々とそのStataでの応用にひたすら時間が当てられていてとても簡単だった(ただし、日本で受けていた授業よりもしっかり体系化されていて将来社会調査を教える可能性を考えるととても役立った)。まだシラバスが出ていないので詳しいことはわからないが、おそらく今学期のⅡでは制限従属変数を用いた諸々の分析とそのStataでの応用をやるようだ。要するに二項・順序・多項ロジスティックモデルや、プロビットモデル、トービットモデル等を一通り学習するものと思われる。欠損値の処理の方法(多重代入とか)もやるっぽい。先学期に比べると少し重い内容になりそう。先学期も移民研究で比較的有名な教員が教えていたが、今学期は移民研究でさらに有名な教員が教える。

SOC 2210 Qualitative Methods(必修・月曜14-17時) :質的分析の方法論を教える授業。体系的に質的分析の方法論を勉強できた記憶がないので、期待しているが、まだシラバスが出ていないので何をするのか不明。リーディングがたくさんある模様で、若干不安。担当教員は若手の助教。

 SOC 2230 Techniques of Demographic Methods(選択必修・火曜13-16時) :人口学の分析の技法を教える授業。僕はブラウンの人口学研究センターの研修員としての身分も持っているので事実上の必修となっている。生命表の作り方とか、将来人口推計の手法等を実践的に学ぶことになる模様。一番面白そうな授業である。担当教員は先学期に多変量解析Ⅰを教えていた移民研究のシニアの教授。

以上、近況と今学期の予定。また時間ある時に更新します!