2023年6月14日水曜日

Ph.D.取得&Phi Beta Kappa選出

5月28日(日)に大学院修了式があり、Philosophiae Doctor(Ph.D.=日本でいうところの博士号)が授与され、ようやく正式に名前にDr.がつけられるようになった。本当ならプロビデンスまで飛んで、ブラウンのスクールカラー(文字通り茶色)のガウンをきて、卒業行進行事に参加したかったが、既に日本に戻っており、そのためだけに渡航するお金もないので、インターネットで日本から博士修了式を試聴していた。


博論審査の時に撮った社会学部の写真


Ph.D.取得にあたり、Phi Beta Kappa(ファイ・ベータ・カッパ)に選出された。Phi Beta Kappaというのはアメリカの終身制のhonor society(栄誉団体)で、四年制大学の学業優秀者に会員としての栄誉を与えて表彰する団体であり、18世紀半ばから存続しているらしい。

卒業式の前に、各大学の成績上位5〜10%くらいの学生が招待される。アメリカの研究者の履歴書(CV)では、学位欄で、"B.A., in History, Amherst College, Summa Cum Laude, Phi Beta Kappa"のような形でSumma Cum Laudeなどの成績に関するラテン語の栄誉称号(Latin Honor)の後に続けて言及されることが多く、自分もよく目にはしていた。

ブラウン大学からは、2023年5月の学位取得者(学士号から博士号まで全てを含む)2000名程度のうち、165名が推挙されたらしいのだが、どういう風の吹き回しか、大学院生として選ばれたのは私1人だけで、その珍しさから社会学部ニュースで取り上げられた。不思議に思い詳しく調べてみたところ、基本的にはPhi Beta Kappaへの選出は学部生に限定されているが、一部の大学では、例外的に大学院生をPhi Beta Kappaにする制度を設けているところがあるとのことだった。学部長の先生からは、大学院担当責任教授の強い推薦で、社会学部として正式に私の名前をPhi Beta Kappaのブラウン支部に送付したという経緯だけ後から教えていただいた。ただ、様々な学部から推薦された院生のうち、なぜ私だけが164人の学部生に混ざって選ばれたのかという謎は残ることになった。

なお、Ph.D.取得は研究者としての就職に際して必須だが、Phi Beta KappaにはCVのAwards and Honorsの一行以上のメリットはなく、特筆すべきことではない。ただ、「極東」からきた留学生の私をPh.D.取得にあたりアメリカの歴史ある名誉団体に推薦してくださった社会学部の先生方の気持ちには感謝しており、ブログに記録として残しておくことにする。