2019年5月8日水曜日

近況&2019年春学期のコースワーク

またまた更新が途絶えていた。。。学期末になり、2日前でレポートも残り1つで、1日休みをとっている(お腹の調子がそんなに良くなくて休んでいる)。簡単に近況と今学期とったコースワークについて書いておく。


1. 近況

全体的な近況。3月初旬に後輩の結婚式で1週間ほど帰国し(幸せをおすそ分けしてもらえた)、3月後半にドイツでの学会発表(まあまあうまくいった)、4月中旬に人生2回目の修論提出(5年制博士課程の2年目に提出するもの)をし、5月初旬は昨夏に投稿してR&R(修正再査読)になっていた共著論文を再投稿した。次のビッグイベントは6/24-27の1つ目のプレリム試験(博士候補試験の2つのうちの1つ)。追試はあるが、落ちたら基本的には退学になってしまうわけで、本腰を入れて勉強をする予定。プレリム試験に2つ合格し、博論計画書もディフェンスすると、博士候補(PhDキャンディデート)になれる。これはおそらく2021年の予定。

嬉しいこと2点。(1)修論が社会学研究科の最優秀賞を受賞するという連絡をいただいた。20年以上前に若くして亡くなった人口学の教授の名前を冠した賞らしい。認めてもらえたことは素直に嬉しい。ちょっとまだ詳しいことはわからないので5月末の授章式の後に色々書きたい。(2)6月半ばにペンシルヴァニア州立大で開かれる移民研究の方法論に特化した8日間のサマースクールにRussell Sage Foundationからの奨学金付きで合格した。去年落ちていて二度目のトライだった。これもまた参加後に感想を書きたい。

心配なこと2点。(1)3月に後輩の結婚式に出るために1週間だけ帰国していたのだが、その頃から体調がすぐれず、完全には回復していない気がする。具体的にいうとお腹で、時々嘔吐症状があったり、お腹が痛かったりする。胆石を疑われてエコー検査までしたのだが、何も見つからなかった。明日また医者に行くが、今度は内視鏡検査になるかもしれない。ここ2ヶ月度々苦しい思いをして健康の大切さがわかってきた。(2)来年度からTAとして教える予定で、指導教員に大学院の多変量解析のコースのTA(博士課程1年生に統計とStataの使い方をレクチャーする仕事)を頼まれていたのだが、学部TAが足りなさすぎてそちらに回される可能性が高いらしい。良い経験になるとは思うが、学部生をTAするのはかなり大変らしく、少し心配している。


2. 2019年春学期のコースワーク

ANTH 2300: Anthropological Demography (人口人類学)

人口学センター所属院生の準必修で、人類学部が提供しているセミナー。社会人類学と人口学を繋ぐ論文をひたすら読む。担当教員は人類学、社会学のトップジャーナルに数々の著作がありながら、専門は近代イタリア教会史(著書多数)で、イタリア史に関係した著作でピューリッツァー賞(伝記部門)も受賞しているデービッド・ケルツァー教授。イタリア教会史の専門家がなぜ人口学者としても知られているかというと、イタリアで研究をしていた頃に教会の地下で昔の司教がつけていた教区の人口記録を見つけて、教会がいかに出生をコントロールしていたかに関心を持ち、人口学的な研究も始めたとのことである。

人口学は人口学者、社会学者、経済学者、疫学者が中心となった出生・死亡・移動等々に関する計量データの統計分析の印象が強い学問だが、目立たない形で質的調査(主にエスノグラフィー)をしている人たちもおり、大変勉強になったし、社会人類学と人口学のコラボレーションの可能性も色々と考えられた(実際にケルツァー教授は人口学のジャーナルに社会学者と共著で論文も多数出している)。もしこの分野に関心ある方がいればケルツァー教授が編集したAnthropological Demographyという本はおすすめ。

Anthropological Demography(ちょっと古いがおすすめの本)

この他にも、今年Springerから出たされた改定版のHandbook of Population StudiesのAnthropological Demographyの項目もケルツァー教授が担当している。


SOC2961E: Sociology of Education(教育社会学)

去年倍率200倍の助教の選考に勝ち残って新しく赴任した若手教育社会学者の教育社会学の演習。教育社会学の必読文献を幅広くカバーしていて、修論の文献レビューを行う上でとてもためになった。担当教員は経済学的なアプローチを多用する人で、それも勉強になったが、明らかに計量メソッドの面では劣っている社会学という学問の教育学に対する独自な貢献は何なのかも考えさせられた。ちなみに、最近は教育学のジャーナル(e.g., AERJ)だけではなく、教育社会学のジャーナル(e.g., Sociology of Education)でも経済学者に査読を頼むことがあるらしく、経済学者対策は避けられない気がした(先生が最後の授業でつい先日リジェクトされた論文のレビュワーコメントを見せてくれたが、かなり辛辣だった)。


SOC2981: Reading and Research(修論の個別指導)

修論の個別指導。あと、先生と去年の1月ごろからやっている論文の修正再査読の対応もこの時間枠を使ってしていた。4月中旬に提出した。月末に人生2個目の修士号が授与される予定である。

SOC2981: Reading and Research(プレリム試験の個別指導)

6月末に社会人口学の博士候補試験(プレリム試験)を受験する予定で、その準備のための個別指導。副指導教員の先生と会っていた。個別指導といっても、6月に受ける同期三人とグループを作ってやっていたのでゼミみたいなかんじ。ここからあと1ヶ月は試験勉強が続きそうである。プレリム試験についてはまたいつか詳しく書きたい。

ということで、次はプレリム試験についてでも書きます。


1 件のコメント:

  1. 待望のnew postうれしい。そして、最優秀賞おめでとう!!やっぱり、T.K.はすごいな〜。授業紹介もおもしろかった。人口学ふつうにおもしろそうだと思った。まさか教会史の先生だったとは。。

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