2019年9月18日水曜日

ティーチングアシスタントが足りない問題

今学期は大学院の多変量解析のコースのティーチングアシスタント(TA)に割り当てられ、レクチャーを火曜にしたことを先週の投稿で記したが、なんと2回目のレクチャーの昨日がそのコースのTAとしての最後の日になった。明日からは学部の社会統計学のコースのTAになる。大学院の多変量解析のコースはTAがいなくなるらしい。

突然変更になった理由は、TAを雇う予算がないということではなく、社会学部の提供する学部向けの諸々のコースの履修者数の当初の予想が外れ、一部の授業でTA不足が発生しているからだ。TA不足の背景には、ブラウンの社会学部の関連センターのFellowshipが毎年充実してきており、社会学部の院生がそれを獲得してTAを避けてしまうという問題がある(研究に集中できるということなので、良いことなのだが)(注)。ちなみに、今年は大学院1-6年生60余名中、TAとして生活している人は11名しかいない。

変更になったTAの講義のための資料等を一学期分、全て用意していなくて良かった、、というのが正直な感想だ。全部用意していて、学期途中で突然変更になったら、ショックだった。明日からの学部の授業は履修人数が50名と大学院の講義の3倍の数で、さらには学部生は成績を気にすると思うので、より大変かもしれないが、とりあえず臨機応変に頑張りたい。


注)アメリカの大学院の人文・社会科学系の大学院生はTeaching Assistantship (TA)、Research Assitantship (RA)、Fellowshipのいずれかの形で生活費を支給されてサバイバルしている。Fellowというのは要するに何もしなくても自分の研究だけしていればお金をもらえる状態で、一番理想なので、みんなこの状態になりたがる。大抵の場合、学年(または学期)ごとにステータスが推移するのが普通である。例えば、1年目(Fellow)→2年目(RA)→3年目(Fellow)→4年目(TA)→5年目(Fellow)→6年目(Fellow)という具合だ。なお、社会学部では1年生と5年生はデフォルトで全員Fellowshipが確約されている。Fellowshipには外部の財団から支給を受けるExternal(外部)と、大学内のリサーチセンターや所属する学部から支給を受けるInternal(内部)の二種類がある。日本の例でいうと学振が前者で、リーディング大学院が後者だ。同期で一度も教えずに6年間全部フェローで過ごそうとしている人もチラホラいるが、教育経験を積むために最低1年はTAをすることが推奨されている。


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