2023年5月9日火曜日

論文の査読結果が9ヶ月経っても返ってこない...

今日は標題の件について少し書きたい。昨年の8月初頭に社会学/人口学分野の某トップジャーナルに投稿した論文、投稿してとうとう9ヶ月が経ったことに気づいた。長くかかっているのは私だけでははないようで、自分の友人(の友人複数)や、ネットの掲示板、Twitter等さまざまなところで6ヶ月以上経ってデスクリジェクトされた話や、10ヶ月経っても最初の結果が返ってこない話などを聞いた。昨年春に編集委員長が変わるまではデスクリジェクトに1−10日、査読に回っても3ヶ月程度で一回目の査読が返ってきていたので、とても大きな変化である。

なお、私の論文は、忘れられているわけではないようである。5ヶ月目に問い合わせたところ、「あと2−3ヶ月待ってくれ」と言われ、7ヶ月目に問い合わせをしたところ、「3つの査読レポートのうち、1つは返却され、あと2つを待っている」という返事だったので、デスクリジェクトは免れ、査読には回っているらしい。

通常、社会学/人口学分野のジャーナルは、デスクリジェクトの判断は投稿から(遅くとも)2ヶ月以内、(査読に回った場合の)第一回査読結果通知は5ヶ月以内、修正を含めた第N回目の最終査読結果(N≦4)が18ヶ月後くらいには出る(というのが私の理解だ。)今回の某ジャーナルは、私の論文も含め、一部で著しく審査が遅れているということになるだろう。

業界のトップ誌はその学術的な意義に加え、投稿している研究者の就職、テニュア、昇進、異動等の様々なキャリアプランを左右するため、編集委員会の責任は大きい気がしている。

もちろん、日本の学会誌のように編集委員長や編集委員になることにそこまで大きなメリットやインセンティブがない場合には、あまり強く非難はできない(むしろ忙しい中編集を引き受けてくださっている側面が強いので感謝をしなければならないだろう。)しかし、今回のような国際的に当該学問全体を代表するジャーナルの場合、(公募で選ばれる)編集委員長になることは非常に名誉のあることであり、(仕事量に対して額は見合わないかもしれないが)給料も支払われているのではないかと予想する。また、編集委員長を経験した場合、その後のキャリア(例:別の大学へ移籍、「冠教授」へランクアップ等)にも強くプラスになるのではないかと思う。

私のような若手にはわからないさまざまな事情があるのだろうし、裏の事情を詳しく知った場合には同情するのだとは思うが、駆け出し若手研究者の身からすると、「もう少しなんとかできないものか」と思ってしまうのも許してもらいたいところではある。