2018年4月1日日曜日

3月&春休み終了!

イースター休日で今日は勉強・研究はせずにゆっくりしているので近郊報告。3月26日(月)から3月30日(金)が大学公式の春休みで、毎週授業が木曜終わりな自分は3月23日(金)から本日4月1日(日)までが春休みだった。なお、この春休みは春学期(1月初旬-5月上旬)の途中にあるもので、学期の終わりを意味しない。明日から5月上旬までこれから1ヶ月半再びコースワークとの戦いが続く。

1. 3月の山場

春休み前の一週間は結構忙しかった。以下が特に大きなイベント3つ。

(1)多変量解析の中間テスト
中間テストの範囲は線形確率モデル、プロビットモデル、ロジットモデルだった。シラバスでの進度的にはもっと進んでいてもいいはずなのだが、スノーストームで休講があったりしたのでこの範囲。予想していたよりもテスト問題は簡単で、問題文の読み間違いとか計算ミスがなければ95-100%の正答率なんじゃないかと思う。クラスの平均点も75-80%くらいではないだろうか。

(2)現代社会学理論の発表
前回も書いたように今学期の現代社会学理論のコースは主にグラムシ、フーコー、ブルデュー、ハーバーマスの四人(+黒人フェミニズムのパトリシア・コリンズを特別回で扱う)の著作複数を一学期かけてざっくり読むのだが、四人と関係がある理論家の著作も扱う。グラムシ回はラナジット・グーハ(Ranajit Guha)のDominance without Hegemony、フーコー回はパルタ・チャタジー(Partha Chatterjee)のThe Nation and Its Fragmentsで、ブルデュー回はムスタファ・エミールバイヤー(Mustafa Emirbayer)とマシュー・デスモンド(Matthew Desmond)共著のThe Racial Orderで、僕はこのThe Racial Orderを基に二人のクラスメイトとレジュメを作成して1時間ほどのクラスディスカッションをリードしなければならなかった。本の内容はブルデューの階級理論をアメリカの人種問題へ適用し、アメリカの人種研究(race scholarship)への理論的貢献を目指すものだった。2015年に書かれた本で、今後どのような評価がされていくのかはわからないが、アメリカ社会学に関心がある方は是非手に取られることをお勧めする(ただし、経験的な研究ではなく、理論研究であり、難解な箇所もあるのでちょっとした覚悟がいる)。ちなみに、僕の(未熟な)理解だと著者のエミールバイヤー(@ウィスコンシン)はジェフリー・アレクサンダー(@イェール)等と並ぶアメリカの文化社会学者/社会理論家の一人で、マシュー・デスモンドは彼の教え子で若手のスーパースター(30代後半で既にプリンストンの正教授。理論というよりは都市社会学者/エスノグラファーとして特に有名で質的調査法でも何本かデスモンドの論文を読まされている)。

(3)質的調査法の中間レポート
期末レポートの研究計画を書け、というものだった。半日で終わらせてしまい、かなりネガティブな評価が返ってくるのではないかと思っていたが、"A-"で済んだ。とりあえず、なんとか期末を乗り切りたいと思う。

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2. 春休み


春休みは以下のことをした。

(1)土日(1泊2日)のボストン旅行
モネの『ラ・ジャポネーズ』@ボストン美術館
(中学の歴史資料集を思い出した)
ボストンはプロビデンスから片道12.5ドルの電車(MBTA)で1時間で行ける(Amtrakならもっと早いが高い)。土曜日はボストン美術館を見学し、特別研究員としてハーバードに1年研究滞在(プレドク)している友人と、同じくハーバードで1年研究滞在(ポスドク)している大学院の先輩二人と牛角でご飯を食べ、日曜日はボストン日本語キリスト教会を訪問し、同じ奨学金をもらってハーバードで材料科学のPhDをやっている友人と日本の居酒屋でご飯を食べた(日曜日)。ハーバード大学周辺をじっくり歩くのは初めてだったが、日本食の多さに驚いた(ラーメン、焼肉、寿司などなど)。大学院の協定で、アイビーリーグ間の国内交換留学制度があるみたいなのだが、日本食を求めて1年研究滞在したくなってしまった。


(3)木金(1泊2日)NYC旅行
ルノアールの『ピアノに寄る少女たち』@メトロ
ポリタン
(美術の教養がない自分でも知っていた絵)
木曜の早朝にバスでニューヨークに行った。目的は現在NYCのコロンビア大留学中の友人宅を訪問することと、前回の訪問時に連邦政府の閉鎖と被って行けなかったエリス島の移民博物館に行くことだったが、今回は島へのフェリーのチケットの売り切れでまたしても行けなかった。ただその代わり今学期の人口学方法論の先生にオフィスアワーでお勧めされていたマンハッタン南東のテネメント博物館(Tenement Museum)というマンハッタンへの移民の歴史博物館を訪問した。ここは大正解で、この博物館については後日別記事として書くことにする。また、この他にNYC観光定番のメトロポリタン美術館にも行った。


(2)事務作業・課題を終わらせる(月曜日-水曜日、土曜日)
州税・連邦税返還の申請や溜まっていた課題を終わらせるためにひたすら研究室で作業をしていた。チームメンバーとして入れていただいている日本の研究プロジェクトの調査のデータクリーニングの依頼がちょうど春休みと被ったのは幸いだった。州税・連邦税の作業はかなりの時間を要したが、経済学研究科にいる日本人の先輩方と一緒に教えてもらいながらできたおかげでスムーズにできたように思う。