2019年11月24日日曜日

ティーチングアシスタント業務で学んでること

久々の更新。相変わらずかなり忙しく、全く更新できなかった。

今日は今学期のティーチングアシスタント業務(TA業務)についてまとめる。担当しているコースは東大でいうところの初等統計の講義(駒場の「基礎統計」や本郷の社会学の「社会調査法」)にあたり、OLSの初歩的なところまでを一通りカバーして、来学期の実習コース(東大でいう「社会調査実習」的なサムシング)に繋ぐものである。履修しているのは主に学部2年生だ。

週に2回担当教員による講義(1回につき1.5時間)があり、そのクラス(50人)を3分割して、TAによるセクションが週に3回ある。

僕の仕事はオフィスアワーを持つこと(週1時間)、セクションを教えること(週1時間)、宿題、中間・期末テスト、レポートを採点すること、学生からのメールへの対応である。もう1人学部生のTAがおり、そのTAはオフィスアワーを週2時間、セクションを週2時間教える(学部生TAは採点できないというブラウン独自のルールがある)。

セクションを毎週教えるのはそんなに負担ではないし、オフィスアワーは予想以上に学生がやってきて自己肯定感が上がる(笑)。ただ、採点(ただ点数つけるだけでなく、細かいコメントも必要)は学期中に統計の練習問題の宿題9回、中間テスト2回、期末テスト1回、レポート提出4回あり、なかなか大変である。

大変だが、学生の側からみるととても勉強になると思う。最終レポートはACS(American Community Survey)か GSS(General Social Survey)かATUS(American Time Use Survey)を使って二次分析をするというものだが、最終提出までに3回ドラフトを提出する仕組みになっている。提出の度に10程度のGrading Rubricごとのコメントを(教員と僕が)して、学生は改稿・再分析していく。50人と受講者が多めなので担当教授も部分的にやってくれるのだが、なかなか時間のかかる仕事だ。今週末はそれでほぼ時間がなくなった。ただ、学生のプロジェクトが進化するのをみるのもはやりがいを感じる。

教え方は学ぶところが多い。いつか自分が教えるときに使おうと思った点をまとめると以下のようなものだ。

(1)最終レポートの模範例とStataコードを教員が事前に配布することにより、学生が最終レポートをイメージしやすくする。
(2)学生が分析しなければならないデータを指定する(特別な許可があれば他のデータも可能)。
(3)リサーチクエスチョンを出した時点で第一回目の提出をさせて適切な「介入」を行う。
(4)レポート提出の数日前の授業で、レポートを相互に交換させて見せ合い、相互にフィードバックさせて改善させる。
(5)レポートの細かい採点基準(Grading Rubric)を作って、それを公開する。

(4)と(5)に関しては、今学期受講しているファカルティディベロップメントのコース(博士課程修了までに全員必修)でも取り上げられている方法だが、実際に自分がTAしている文脈でやるのはいつか教員になった場合のための学びにとても効果的だった。

とりあえず、残り数週間、頑張りたい。

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