2018年8月19日日曜日

米のアカデミアの履歴書(Curriculum Vitae)

普段からとてもお世話になっている社会学部の技術職員の方から近々学部HPを刷新して全PhD学生のCVを載せるので送ってほしいというメールが来た。自分の名前が検索された時に常にブラウンのページが上位にきて、そこに見栄え良く自分の情報が載っていることが大事らしい。先学期はオンライン上での研究者としての自己PRを院生と考えるセミナーが教員主催で開かれ、おそらくその延長線上にこうした取り組みある。

CVはCurriculum Vitaeの略で、自分の氏名、連絡情報、履歴、業績、その他アピールポイントをまとめた書類。Resumeと互換的に用いることもあるが、Resumeは1-2ページの短い簡潔なものを指すのに対し、CVは細かい情報も載せるのが慣例で、年配の大御所教員になると10ページくらいある人もいる。

大学院出願の際に提出する必要があるので2年前に一度作成してはいたのだが、渡米して自分の作っていたCVが綺麗に見えないことに気づき、改めてCVを作成し直した。

米国のCVのイメージがわかない方もいるので参考にここに僕が本日作成したものを載せておく。色々な作り方があるので、他の方のも参考にされたい。なお、大学院出願のために作る際にはEducationのところに卒論や修論のタイトルや指導教員の名前を入れるなどして工夫してもいいかもしれない。正直なところ、僕のような第一著者の査読論文がまだゼロの人がCVをネットに晒しても何の意味もない気がしているのだが、学部の方針で下級生含めて全員HPにアップロードするようなので仕方ない。ちなみにこのCVを作るためにブラウンの社会学部のD4-6の人のCVを一つ一つ確認していたのだが、第一著者の論文業績がゼロorかなりマイナーなジャーナルに1本の先輩が結構多く、自分の未来が少し不安になってしまった(注1)。また、お隣のMA州にある某H大やNJ州にある某P大のように院生中に社会学三大誌(ASR、AJS、Social Forces)に第一著者で載せているような化け物がいないことも改めて確認された。ただし、Social ProblemsやSocial Science Researchのようなジェネラルの上位誌やSocial Science &Medicineのようなサブフィールドのトップ誌に論文を載せている先輩は存在したのでその人たちを目標に頑張ろうと思う。(なおサブフィールドトップに二本載せて今年博論を提出された優秀な先輩はアカデミアに興味がなくなったようで、専門を生かせる民間企業に就職してしまった。)


注1・・・米国の経済学のAPのジョブマーケットでは論文業績0本のままD5かD6でジョブマーケットに出るというのはかなり普通のことだと聞いたが、社会学だと少なくとも1本ランクの高いジャーナル(印象としては最低でもサブフィールドで上位5位くらいまで)に掲載決定していないとAPとしての就職は厳しそうである。米の社会学ポスドクのジョブマーケットがどれくらいの業績を求めるのかは未知で、人気ないポスドクポジションなら0でもいけるのかもしれないので0の人も何とかなるのかもしれない。なお、僕の場合、業績の数がかなり重要になってくる日本のジョブマーケットでのAP/ポスドク就職も考えているので、D6までに少なくともどこかに2本くらいないと研究者としての帰国はできなさそうだ。

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