前回の投稿で、今学期読んだ論文をupすると書いたが、結局あの後で忙しくなってなかなかできないでいた。Thanks Giving休暇に入ったので今日discussした論文(先月公表されたWorking Paper)を一つ紹介しておく。
Alesina, Alberto, Armando Miano, and Stefanie Stantcheva, 2018. “Immigration and Redistribution.” NBER Working paper 24733
要旨:
WPでは、たくさんのことがなされているが、主に①調査国のネイティブ回答者(定義:調査国で出生した者)の「移民」(定義:調査国外で出生した者)についての認識(e.g.調査国に移民は何割いるか?、貧困層の移民は何割いるか?、移民はどの地域から来ているか?)の「現実」(著者らが政府統計から計算したデータ)からのズレの程度と、そのズレと回答者の社会人口学的特性との関連、②「移民について考えること」の「再配分態度」への因果効果、③「移民についての正確&肯定的な情報に接すること」の「移民に関する認識の正しさ」への因果効果、④「移民についての正確&肯定的な情報に接すること」の「再配分態度」への因果効果の4点が主に論じられる。
データは著者らによって独自に設計された5カ国(フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、イギリス、アメリカ)でのサーベイからで、n=22506(各国で4000ケースほど)。調査票は(i)社会人口学的属性についてのセクション、(ii)調査国での移民の現状認識を問うセクション、(iii)再配分態度のセクションの3つに別れている。調査票中の(ii)と(iii)のセクションの順番を回答者ごとにランダムに入れ変えることによって②の因果効果を推定する。また③と④に関しては質問中にランダムに一部の回答者に対してinformation treatmentを与えて因果効果を推定している。Information treatmentというのは調査国の真の移民の割合、移民の出身国の分布、そして貧しいながらも頑張って働いている移民のストーリーである。
分析結果として、①どの調査国においても回答者は正確な値よりもはるかに移民の人口比を過大推定する傾向にあり、また「文化的に」離れた国からよりたくさんの移民が来ていると思いこむ傾向にある。学歴が低い層ほどこうした傾向は強い。②移民について単に考えること(=移民に関する質問に先に答えること)の再配分への態度への負の効果が認められる。③④移民についての正確&肯定的情報への接触の移民の現状認識への正(=現実に近い値への修正)の効果はあるが、この正の接触効果は移民について考えること(=移民の現状を問う質問に回答すること)で打ち消される。
コメント:
・少し論点が拡散しすぎていてわかりにくくなっている気がした。まあ最近公開されたばかりのWPでこれから直していくと思うので仕方ないと思うが、、
・著者らも指摘している通り、政治学と社会学でこういう研究はすでに一定数あり、①の新規性はそこまでないかもしれないと思った。
・②に関して、「移民への認識」と「再配分に関する態度」の質問の順序を回答者ごとにランダムに変えて、移民について考えることの効果を推定するというのは面白いデザインだが、再配分に関する質問に一番最後に答えなければならないことの効果と移民の質問に先に答えたことの効果をどう識別するかに問題がある気がした。順番を変えたグループとともに、順番が変わるのではなく、同じ長さで同じ程度の負担の全く関係ない質問を移民の質問の代わりに答えなければならないコントロールグループを入れた方が良かったかもしれない。例えば、長い質問紙に少しイライラしてきて再配分に関する質問に厳しめに答えることの効果が混じるということが想定できなくもない(考えすぎかもしれないが)。
・また、移民の現状についての認識を問う質問を先に答えることの効果を、著者らが「移民について考えること」の効果として解釈していること自体があまり納得できなかった。著者らはTable9で移民に関する質問に先に答えることと社会人口学的属性の交互作用をとって、効果の異質性を検討しているが、そもそも認識の内容自体に分散が大きいため、認識の内容上での効果の異質性を検討しても良いのではないかと思った。
・これはどんな移民研究にも当てはまるかもしれないが、社会科学系の研究者が通常使う「移民」の定義と、日常用語で使われる「移民」の意味が異なることが、この研究ではより大きな問題になる気がした。調査票では冒頭で移民は調査国外で生まれて合法的に調査国に居住している人、と定義されているが、回答者がすぐにその定義を覚えてその定義に回答中に従えたかどうかは疑わしい気がする。また、この調査自体が出生地主義の強いアメリカだけでなく、血統主義的な考え方も混じるヨーロッパ諸国をも対象としているために、なおさら問題かもしれない。なお著者の3人ともハーバード所属で、調査はアメリカ発である。
2018年11月20日火曜日
2018年10月10日水曜日
失われたアインシュタイン?(Bell et al. 2018)
今学期の格差の授業で2018年に出た未出版のワーキングペーパーを毎週サマライズして評価(擬似査読)しなければならない。毎回できるとは思わないが、時々そのメモを残しておこうと思う。
Bell, Alex, Raj Chetty, Xavier Jaravel, Neviana Petkova and John van Reenen, 2018. “Who Becomes an Inventor in America? The Importance of Exposure to Innovation.”NBER Working Paper No. 24062
要旨:
論文では特許をもつ人が「発明家」と定義され、発明家になる人の人口特性と発明家になる環境要因が検討される。データは3つのデータの組み合わせで、(i)1976年から2014年にアメリカで受理された特許申請、(ii)1996年から2012年までの米の税データ、(iii)1988年から2009年までのニューヨーク市における3年生から8年生までの学力テストデータである。論文中では目的に応じて(i)(ii)(iii)がマッチングされている。ちなみにマッチングには特許申請に記載されている開発者の名前と居住地、租税データ中の名前(被扶養者含む)と居住地を使っており(さすがチェティ!)、80%以上マッチングできたらしい。ちなみに、他にもニューヨークのテストデータのサンプルがどの大学に行ったか等もマッチして分析しているのだが、それは本論にはあまり関係ない。
分析では出生時の人口学的特性(人種、親の所得、性別)は、数学のテストスコアを統制した後も発明の確率に一定の影響をもっていることが示され、環境要因の分析に移る。分析で示されるのは親が発明をしていることや親の同僚(同じ地区で同じ産業で働いている人)が発明をしていることは、成人後の発明に影響すること、子供の頃に住んでいた地区(ZIPコード)の発明家率は、後に発明家になる確率に影響しており、これは引っ越しを経験したサブサンプルで、引っ越し後の地区の発明家率や親が発明をしていることをコントロールしても見出される。さらには445の発明の技術区分(特許が申請された技術区分)ごとに同じ分析を行うと、特定の区分に該当する特許が申請される率が高い地域に子供時代に住んでいたことが、後に同じ区分に分類される特許を申請する確率に影響する。また女性にとっては、子供時代に女性の発明家比率が高い地区に住んでいたことが、成人後に発明家になることに影響することが示される。この他に高インパクト発明(被引用率が高い発明)に関する同様の分析も行ない、人口学的特性や居住地区が影響していることが示される。
最後に、人種、親の所得、性別た居住地区によって発明の機会を奪われた人(「失われたアインスタイン」)に関してかなりざっくりした議論が行われる。
コメント:
・正直、445の技術区分の効果が出たあたりで「本当かよ?」と思ったし、授業での評判も悪かったが、まあこんだけデータあったら何か結果は出せるものなのかもしれない。チェティー の論文のデータはどれもすごいことは認めざるを得ない(ブラウンにもチェティー とよく論文を書いている人がいて何度か発表を聞いたのだが、本当にすごい)。3-5年後に論文として出ると思われるので、どういう形で出るのか気になるところだ。
・著者らは近隣効果を学校の質やネットワークの効果と解釈しているが、その妥当性も気になった。
・経済学部の授業をとり始めてから感じるのだが、社会学者が安易?にロジットモデルとか使うところも経済学論文は大抵OLSで推定している(なるべくシンプル!)。この論文も従属変数は発明家になること(ダミー変数)だったが、線形確率モデルで推定されていた。確かにロジットモデルだと複数のモデル間の係数を比較することもできないし、解釈もほんのちょっと面倒くさいので、特殊な理由がない限りは線形確率モデルを推定して誤差を修正する方が良いのかもしれない。というか最近はマルチレベル分析とかもなるべくしないで大抵の誤差のクラスタリングの問題もOLSでクラスターロバスト標準誤差を事後的に計算する方が良い(早くて簡単)気がしてきているがこれはまた別の話である。。
Bell, Alex, Raj Chetty, Xavier Jaravel, Neviana Petkova and John van Reenen, 2018. “Who Becomes an Inventor in America? The Importance of Exposure to Innovation.”NBER Working Paper No. 24062
要旨:
論文では特許をもつ人が「発明家」と定義され、発明家になる人の人口特性と発明家になる環境要因が検討される。データは3つのデータの組み合わせで、(i)1976年から2014年にアメリカで受理された特許申請、(ii)1996年から2012年までの米の税データ、(iii)1988年から2009年までのニューヨーク市における3年生から8年生までの学力テストデータである。論文中では目的に応じて(i)(ii)(iii)がマッチングされている。ちなみにマッチングには特許申請に記載されている開発者の名前と居住地、租税データ中の名前(被扶養者含む)と居住地を使っており(さすがチェティ!)、80%以上マッチングできたらしい。ちなみに、他にもニューヨークのテストデータのサンプルがどの大学に行ったか等もマッチして分析しているのだが、それは本論にはあまり関係ない。
分析では出生時の人口学的特性(人種、親の所得、性別)は、数学のテストスコアを統制した後も発明の確率に一定の影響をもっていることが示され、環境要因の分析に移る。分析で示されるのは親が発明をしていることや親の同僚(同じ地区で同じ産業で働いている人)が発明をしていることは、成人後の発明に影響すること、子供の頃に住んでいた地区(ZIPコード)の発明家率は、後に発明家になる確率に影響しており、これは引っ越しを経験したサブサンプルで、引っ越し後の地区の発明家率や親が発明をしていることをコントロールしても見出される。さらには445の発明の技術区分(特許が申請された技術区分)ごとに同じ分析を行うと、特定の区分に該当する特許が申請される率が高い地域に子供時代に住んでいたことが、後に同じ区分に分類される特許を申請する確率に影響する。また女性にとっては、子供時代に女性の発明家比率が高い地区に住んでいたことが、成人後に発明家になることに影響することが示される。この他に高インパクト発明(被引用率が高い発明)に関する同様の分析も行ない、人口学的特性や居住地区が影響していることが示される。
最後に、人種、親の所得、性別た居住地区によって発明の機会を奪われた人(「失われたアインスタイン」)に関してかなりざっくりした議論が行われる。
コメント:
・正直、445の技術区分の効果が出たあたりで「本当かよ?」と思ったし、授業での評判も悪かったが、まあこんだけデータあったら何か結果は出せるものなのかもしれない。チェティー の論文のデータはどれもすごいことは認めざるを得ない(ブラウンにもチェティー とよく論文を書いている人がいて何度か発表を聞いたのだが、本当にすごい)。3-5年後に論文として出ると思われるので、どういう形で出るのか気になるところだ。
・著者らは近隣効果を学校の質やネットワークの効果と解釈しているが、その妥当性も気になった。
・経済学部の授業をとり始めてから感じるのだが、社会学者が安易?にロジットモデルとか使うところも経済学論文は大抵OLSで推定している(なるべくシンプル!)。この論文も従属変数は発明家になること(ダミー変数)だったが、線形確率モデルで推定されていた。確かにロジットモデルだと複数のモデル間の係数を比較することもできないし、解釈もほんのちょっと面倒くさいので、特殊な理由がない限りは線形確率モデルを推定して誤差を修正する方が良いのかもしれない。というか最近はマルチレベル分析とかもなるべくしないで大抵の誤差のクラスタリングの問題もOLSでクラスターロバスト標準誤差を事後的に計算する方が良い(早くて簡単)気がしてきているがこれはまた別の話である。。
2018年9月11日火曜日
今学期の履修ほぼ確定
新学期が始まった。コース選択だが、以下の5コースで固まりそうである。標準は1学期中に4つのコースなので5つは多いと思われるかもしれないが、EINTは週2回で1回50分、かつ単位が出ない英語のコースで負担は少なく、修論準備のコースも2週間に1回指導教員と面談をするだけなので実質3つのコースである(修論は進めないといけないが)。本当は生物統計学部で生存分析(イベントヒストリー分析)のコースを取ろうと思ったのだが、経済学部で開講されることになった格差と公共政策のコースがより今の自分のためになりそうだと思い、そっちをとることにした。
EINT 2400:Speaking Professionally for Internationals (留学生のための英語)
日時:月 9:00-9:50 水 9:00-9:50
内容:学部生を教えるために英語のアクセントとボディーランゲージを矯正したり、アメリカの学部生と接し方を練習するための特訓講座。文法や話す内容のコースではないことは初回で結構強調された。1月に英語の専門家および複数の学部生の前で模擬授業をして、「条件付き合格」だった人がこのコースを割り振られる。「不合格」だった場合はもっと低いレベルのコースから始まるらしい。ちなみに社会学部の留学生はほとんどの人が「合格」で、EINTのコースを受けなければならない人は珍しい(僕を含めて4/8人)。ただ、EINTのコースを受けることになった人もアクセント矯正のみのコースの人がほとんどで、このボディーランゲージや学部生との接し方までレクチャーされるコースを取らねばならないのはおそらく自分だけである。少し落ち込んだが、こんなことで凹んでいたらPhD生活やってられないのでとりあえず次の模擬授業で合格できるようにしたい。
ECON 2330:Topics in Labor Economics (因果推論)
日時:月 13:00-15:30
内容:労働経済学とあるが、コースの内容は統計的因果推論。今学期同時に履修する社会学部の因果推論のコースよりも少しアドバンストな気はする(知識をかなり持っていることが前提とされている)が、シラバスを見た限り内容は結構かぶっている。違いはこちらは経済学の論文の購読とレクチャー中心で社会学部の方は教科書中心のスタイルということか。社会学部のだけを履修してもいいのだが、このコースを取らなければ人口学センター所属の院生としての要件を満たさなくなってしまうこともあり履修することにした。
SOC 2960Y:Causal Analysis (因果推論)
日時:水 13:00-16:00
内容:統計的因果推論。正直、経済学部の方の因果推論と内容が丸かぶりなのだが、これを受けないと社会学部のコースが0になり印象よろしくないのと共に、今までアドホックにしか因果推論を勉強したことがなかったので二つ受けてよりしっかり基礎固めしたいと思った。教科書はこちらの経済学部の学部生向けのStock & Watsonの計量経済学の教科書の必要箇所を読んで、その後に定番のMorgan and Winshipの教科書を読むという設定の模様。後者は日本の社会学者の間でも結構読まれていると思うので知っている方もいると思う。
EINT 2400:Speaking Professionally for Internationals (留学生のための英語)
日時:月 9:00-9:50 水 9:00-9:50
内容:学部生を教えるために英語のアクセントとボディーランゲージを矯正したり、アメリカの学部生と接し方を練習するための特訓講座。文法や話す内容のコースではないことは初回で結構強調された。1月に英語の専門家および複数の学部生の前で模擬授業をして、「条件付き合格」だった人がこのコースを割り振られる。「不合格」だった場合はもっと低いレベルのコースから始まるらしい。ちなみに社会学部の留学生はほとんどの人が「合格」で、EINTのコースを受けなければならない人は珍しい(僕を含めて4/8人)。ただ、EINTのコースを受けることになった人もアクセント矯正のみのコースの人がほとんどで、このボディーランゲージや学部生との接し方までレクチャーされるコースを取らねばならないのはおそらく自分だけである。少し落ち込んだが、こんなことで凹んでいたらPhD生活やってられないのでとりあえず次の模擬授業で合格できるようにしたい。
ECON 2330:Topics in Labor Economics (因果推論)
日時:月 13:00-15:30
内容:労働経済学とあるが、コースの内容は統計的因果推論。今学期同時に履修する社会学部の因果推論のコースよりも少しアドバンストな気はする(知識をかなり持っていることが前提とされている)が、シラバスを見た限り内容は結構かぶっている。違いはこちらは経済学の論文の購読とレクチャー中心で社会学部の方は教科書中心のスタイルということか。社会学部のだけを履修してもいいのだが、このコースを取らなければ人口学センター所属の院生としての要件を満たさなくなってしまうこともあり履修することにした。
ECON 2350B:Inequality and Public Policies(格差と公共政策)
日時:火 9:00-11:30
内容:このコースは学期が始まって新しく追加されたスウェーデンのストックホルム大学の若手のVisiting Professorによるコース。広く格差(Inequality)に関連する経済学のワーキングペーパーを毎回読んで論評する。基本的にはIncomeとwealth inequalityに関するペーパーが多いが、Educational inequalityもあった。なお、経済学では論文として出版する前にワーキングペーパーとして論文がネットに上がることが多く、最新のワーキングペーパーを追うことで今後の学界の動向を追えるようだ。リーディングの一部(Chettyとか)は社会階層論のプレリム試験のリーディングリストとかぶっており、プレリム試験の準備になることを期待している。ただ、もしも論文が難しすぎて理解不能だったりしたら、10月に切るかもしれない。
内容:このコースは学期が始まって新しく追加されたスウェーデンのストックホルム大学の若手のVisiting Professorによるコース。広く格差(Inequality)に関連する経済学のワーキングペーパーを毎回読んで論評する。基本的にはIncomeとwealth inequalityに関するペーパーが多いが、Educational inequalityもあった。なお、経済学では論文として出版する前にワーキングペーパーとして論文がネットに上がることが多く、最新のワーキングペーパーを追うことで今後の学界の動向を追えるようだ。リーディングの一部(Chettyとか)は社会階層論のプレリム試験のリーディングリストとかぶっており、プレリム試験の準備になることを期待している。ただ、もしも論文が難しすぎて理解不能だったりしたら、10月に切るかもしれない。
SOC 2960Y:Causal Analysis (因果推論)
日時:水 13:00-16:00
内容:統計的因果推論。正直、経済学部の方の因果推論と内容が丸かぶりなのだが、これを受けないと社会学部のコースが0になり印象よろしくないのと共に、今までアドホックにしか因果推論を勉強したことがなかったので二つ受けてよりしっかり基礎固めしたいと思った。教科書はこちらの経済学部の学部生向けのStock & Watsonの計量経済学の教科書の必要箇所を読んで、その後に定番のMorgan and Winshipの教科書を読むという設定の模様。後者は日本の社会学者の間でも結構読まれていると思うので知っている方もいると思う。
SOC 2980:Reading and Research (修士論文準備)
日時:不定期に個人面談
内容:修論はようやく動き始めた。本提出は来年の4月末。仮提出は2月末。本日1ヶ月かかってようやくデータへのアクセス権を手に入れられた。米国の教育データを使って移民の世代間移動に関連するテーマにすることを検討している。日本の修論と比べるとかなり軽い。投稿論文一本分の長さを求められ、みんな実質1学期で書いている。
内容:修論はようやく動き始めた。本提出は来年の4月末。仮提出は2月末。本日1ヶ月かかってようやくデータへのアクセス権を手に入れられた。米国の教育データを使って移民の世代間移動に関連するテーマにすることを検討している。日本の修論と比べるとかなり軽い。投稿論文一本分の長さを求められ、みんな実質1学期で書いている。
ご覧の通り今学期はメソッド重視の内容でリーディングは軽いが、修論のために先行研究レビューをたくさんすることを考えるとコースワークでのリーディングは軽いの方が良いという判断だ。
2018年9月2日日曜日
特にフォローしている学術雑誌
日本で過ごした2年間の修士時代には、実際に米国で学術雑誌が読まれているコンテクストというのをあまりちゃんと理解しないで、どの学術雑誌も無意識に「等価」という前提で読んでいた。もちろんAmerican Journal of Sociology、American Sociological Review、Social Forces、European Sociological Reviewが特別なのはわかっていたが、自分がどの社会学のサブフィールドで戦って行くのかという認識(注1)と、その中でのジャーナルの評価を全然理解できていなかった(注2)ということだ。
しかし、1年間アメリカの社会学部に在籍して、サブ分野(e.g. 社会人口学、教育社会学)ごとにフォローしておくべき雑誌とそうでない雑誌に関して社会学者間で共通の理解があり、特に具体的な研究テーマや研究のリサーチクエスチョンを設定する際には「フォローしておくべき」とされている雑誌での議論にあわせる形でリサーチクエスチョンを設定しないと、学界できちんとは相手にされないということがわかってきた。
では「フォローしておくべき雑誌」とはどうやって決めればいいのか?一番いいのは自分の分野の専門の教員に聞くか、自分が受ける予定の分野のプレリム試験の文献リストに多く登場する雑誌をひたすら追うことであろう。Impact Factor(IF)でランクを調べる方法もあるかもしれないが、米国の社会学者の頭の中で平均的に思い描かれている評価とIFが一致していないことは多々あると思う。
ここ1年で編み出した自分にとって「フォローしておくべき」とされいる論文の中で、特に重要なリストは以下である。これらの雑誌は新しい号が出るたびにタイトルとアブストだけは読んで、どういう枠組みでどういう研究がなされているのかは頭に入れておくつもりだ。私の場合、移民研究にウェイトをおいているので、移民研究系の雑誌はいわゆる「フィールドトップ」とされるIMR以外にも入っている。なお、これ以外にも「フォローしておくべき雑誌」はあるが、逐次チェックするのはこの10雑誌である。
(1)総合
American Journal of Sociology
American Sociological Review
Social Forces
(2)移民・人種・エスニシティ
International Migration Review
Racial and Ethnic Studies
Journal of Ethnic and Migration Studies
(3)教育社会学
Sociology of Education
(4)社会階層論
Research in Social Stratification and Mobility
(5)社会人口学
Demography
Population and Development Review
この他に重要なジャーナルとしてAnnual Review of Sociology、European Sociological Review、Social Science Research、Sociology of Race and Ethnicity、Demographic Research、American Educational Research Journal、Child Development、Future of Children、Journal of Marriage and Familyなどがある。
もちろんテーマに関係する場合、上記以外の雑誌も読むし、読むべきだが、ウェイトは上記にあり、例えば人口学でプレリム試験を受ける準備をするには、予め指定される文献リストの100本程度(その殆どがDemographyとPopulation and Development Reviewに掲載された過去30-40年の論文のうち強い影響力のあったもの)はしっかりと読み、さらにDemographyとPopulation and Development Reviewの最近10年分の論文のアブストには全て目を通してどのような研究がなされているのか頭に入れておくことが必要だと聞いた。
注1・・・ブラウン大学社会学部では1年目に社会学の諸分野をサーベイするコースがあるのだが、その入学直後の課題が、社会学のサブフィールドをASAのサブセクションから調べ、それらを統合して減らす方法を考える(減らさない方が良いと思う場合は、その理由を書いて提出する)というものだった。また、自分の研究関心を位置付けるべきサブフィールドを、そのサブフィールドが今後も学会で生き残るか?という視点から戦略的に考えるという課題もあった。こうした課題の意図は今はわかるが、入学当時はいまいちわからなかったのは勉強不足・認識不足という他はない。
注2・・・例えば修士の時に一番読んでいたCitizenship Studiesという雑誌は、結構有名な先生も載せており、僕は個人的に好きで、とても参考にしていた(今でも良い論文が多いと思っている)。ただし、今になってなんとなくわかってきたのは、この雑誌を最初から目指して論文を執筆する人はあまりおらず、どこかに落ちた後に投稿する雑誌であり、掲載できても就職の時には例えばInternational Migration ReviewやRacial and Ethnic Studiesのように評価されることはない。
追記(2018.09.03):この記事を書いた後にたまたまTwitterで「一定ランク(やIF)以下のジャーナルには価値がない」と思っている人に対する批判を目にした。確かにアメリカの社会科学(政治学、経済学、社会学)ではそういう意見を持っている研究者の割合が高いと感じ、私が「フォローすべきジャーナル」を決めているというのもそういう見方と親和性が高いかもしれない。しかし、これはアメリカで認められる研究をしたい(現在のところPh.D.を取れたらそのままアメリカのポスドクジョブマーケットでポジションを得ることを目指している)と考えている私の戦略であって、IFやランクの低いジャーナルの価値が低いとは思っていない。またこうした議論に意見する意図でこの記事を書いたわけではない(+まだPublicationが0の人間が意見をするべきでもないと思うし、最近私が指導教員と投稿したジャーナルもランクが高いとは言えないところだった)。
しかし、1年間アメリカの社会学部に在籍して、サブ分野(e.g. 社会人口学、教育社会学)ごとにフォローしておくべき雑誌とそうでない雑誌に関して社会学者間で共通の理解があり、特に具体的な研究テーマや研究のリサーチクエスチョンを設定する際には「フォローしておくべき」とされている雑誌での議論にあわせる形でリサーチクエスチョンを設定しないと、学界できちんとは相手にされないということがわかってきた。
では「フォローしておくべき雑誌」とはどうやって決めればいいのか?一番いいのは自分の分野の専門の教員に聞くか、自分が受ける予定の分野のプレリム試験の文献リストに多く登場する雑誌をひたすら追うことであろう。Impact Factor(IF)でランクを調べる方法もあるかもしれないが、米国の社会学者の頭の中で平均的に思い描かれている評価とIFが一致していないことは多々あると思う。
ここ1年で編み出した自分にとって「フォローしておくべき」とされいる論文の中で、特に重要なリストは以下である。これらの雑誌は新しい号が出るたびにタイトルとアブストだけは読んで、どういう枠組みでどういう研究がなされているのかは頭に入れておくつもりだ。私の場合、移民研究にウェイトをおいているので、移民研究系の雑誌はいわゆる「フィールドトップ」とされるIMR以外にも入っている。なお、これ以外にも「フォローしておくべき雑誌」はあるが、逐次チェックするのはこの10雑誌である。
(1)総合
American Journal of Sociology
American Sociological Review
Social Forces
(2)移民・人種・エスニシティ
International Migration Review
Racial and Ethnic Studies
Journal of Ethnic and Migration Studies
(3)教育社会学
Sociology of Education
(4)社会階層論
Research in Social Stratification and Mobility
(5)社会人口学
Demography
Population and Development Review
この他に重要なジャーナルとしてAnnual Review of Sociology、European Sociological Review、Social Science Research、Sociology of Race and Ethnicity、Demographic Research、American Educational Research Journal、Child Development、Future of Children、Journal of Marriage and Familyなどがある。
もちろんテーマに関係する場合、上記以外の雑誌も読むし、読むべきだが、ウェイトは上記にあり、例えば人口学でプレリム試験を受ける準備をするには、予め指定される文献リストの100本程度(その殆どがDemographyとPopulation and Development Reviewに掲載された過去30-40年の論文のうち強い影響力のあったもの)はしっかりと読み、さらにDemographyとPopulation and Development Reviewの最近10年分の論文のアブストには全て目を通してどのような研究がなされているのか頭に入れておくことが必要だと聞いた。
注1・・・ブラウン大学社会学部では1年目に社会学の諸分野をサーベイするコースがあるのだが、その入学直後の課題が、社会学のサブフィールドをASAのサブセクションから調べ、それらを統合して減らす方法を考える(減らさない方が良いと思う場合は、その理由を書いて提出する)というものだった。また、自分の研究関心を位置付けるべきサブフィールドを、そのサブフィールドが今後も学会で生き残るか?という視点から戦略的に考えるという課題もあった。こうした課題の意図は今はわかるが、入学当時はいまいちわからなかったのは勉強不足・認識不足という他はない。
注2・・・例えば修士の時に一番読んでいたCitizenship Studiesという雑誌は、結構有名な先生も載せており、僕は個人的に好きで、とても参考にしていた(今でも良い論文が多いと思っている)。ただし、今になってなんとなくわかってきたのは、この雑誌を最初から目指して論文を執筆する人はあまりおらず、どこかに落ちた後に投稿する雑誌であり、掲載できても就職の時には例えばInternational Migration ReviewやRacial and Ethnic Studiesのように評価されることはない。
追記(2018.09.03):この記事を書いた後にたまたまTwitterで「一定ランク(やIF)以下のジャーナルには価値がない」と思っている人に対する批判を目にした。確かにアメリカの社会科学(政治学、経済学、社会学)ではそういう意見を持っている研究者の割合が高いと感じ、私が「フォローすべきジャーナル」を決めているというのもそういう見方と親和性が高いかもしれない。しかし、これはアメリカで認められる研究をしたい(現在のところPh.D.を取れたらそのままアメリカのポスドクジョブマーケットでポジションを得ることを目指している)と考えている私の戦略であって、IFやランクの低いジャーナルの価値が低いとは思っていない。またこうした議論に意見する意図でこの記事を書いたわけではない(+まだPublicationが0の人間が意見をするべきでもないと思うし、最近私が指導教員と投稿したジャーナルもランクが高いとは言えないところだった)。
2018年8月21日火曜日
今後の博士課程における予定–渡米1年!–
本日で渡米してちょうど1年になる。去年の今頃は飛行機の中だ。
一年が経ったということで、これまでと今後のPhD課程での主な予定をまとめてみた。今後がイメージしやすいように年齢と給与形態もまとめた。30歳過ぎる2022年もまだ学生ということに驚く方はいるかもしれない。理論上は5年で出れることになっているのだが、6年目まで大学から給料をもらえる人が多く、より良い給料がもらえるポジションが決まったりしない限りほとんどの人が6年目も在籍する(ただし大学にはいないことが多い)。給与形態というのはFellow(TAやRA免除で授業料・生活費がいただける一番良い状態)、RA(先生のRAをすることによって授業料・生活費がいただける状態)、TA(授業をTAとして教えることによって授業料・生活費がいただける状態)の三種類であり、入学時にある程度個人ごとの契約で決められている。僕の場合、日本の財団から2年目までの奨学金確保に成功したため、1-2年目(日本の財団から)、5-6年目(大学から)のフェローシップが確定している。フェローシップの期間が長いのは僕に限ったことではなく、ブラウン社会学部では1年生は全員TAやRA免除でフェローになることができ、2年目も何らかの形でフェローとして生活する人が同期15人中の10人前後で大半ある。なお、TAに忙殺される他の大学の友人の話を聞いているとブラウン社会学部の院生はかなり経済的に恵まれているようである。
2016年12月:出願
2016年3月:合格
2017-2018年:博士1年生(25-26歳)
給料形態:Fellow
2017年9月:入学
2017年12月(26歳/1年生):コースワーク計4科目取得
2018年5月(26歳/1年生):コースワーク計8科目取得
<----------現在ここ!---------->
2018-2019年:博士2年生(26-27歳)
給料形態:Fellow
2018年12月:コースワーク計12科目単位取得
2019年2月:2nd Year Paper ドラフト(修論)提出
2019年4月:2nd Year Paper 完成版(修論)提出
2019年4月:コースワーク計16科目取得
2019年5月:修士号取得
2019年6月:プレリム試験(社会人口学!?)
2019-2020年:博士3年生(27-28歳)
給料形態:TA
2019年12月:コースワーク・TA計20科目取得
2020年1月:プレリム試験(社会階層論!?)
2020年4月:コースワーク・TA計24科目取得(全単位取得修了)・TA義務完了
2020-2021年:博士4年生(28-29歳)
給料形態:TAまたはRAまたはFellow
2021年12月:博士候補資格口頭試問
2021-2022年:博士5年生(29-30歳)
給料形態: Fellow
2022年8月:博論完成→審査?
2022-2023年:博士6年生(30-31歳)
給料形態:Fellow
2023年1月:AP・ポスドク・民間就職先確保
2023年5月:博士課程修了(博士号取得)
上記はあくまで「予定」であり、この通りにいく保証はないし、そもそも途中でクビを切られる可能性だってある。つい先日もプレリム試験に落ちた先輩が強制退学になったという話を聞いた。ただ、こういう他人の失敗話はあまり気にせずに何事にもベストを尽くすしかない。自分にとって今年の山場は2月と4月に締め切りがある2nd Year Paper(修論)と一つ目のプレリム試験である。修論はもう動きはじめており、来月くらいからはプレリム試験の勉強にも本腰を入れていこうと思う。
一年が経ったということで、これまでと今後のPhD課程での主な予定をまとめてみた。今後がイメージしやすいように年齢と給与形態もまとめた。30歳過ぎる2022年もまだ学生ということに驚く方はいるかもしれない。理論上は5年で出れることになっているのだが、6年目まで大学から給料をもらえる人が多く、より良い給料がもらえるポジションが決まったりしない限りほとんどの人が6年目も在籍する(ただし大学にはいないことが多い)。給与形態というのはFellow(TAやRA免除で授業料・生活費がいただける一番良い状態)、RA(先生のRAをすることによって授業料・生活費がいただける状態)、TA(授業をTAとして教えることによって授業料・生活費がいただける状態)の三種類であり、入学時にある程度個人ごとの契約で決められている。僕の場合、日本の財団から2年目までの奨学金確保に成功したため、1-2年目(日本の財団から)、5-6年目(大学から)のフェローシップが確定している。フェローシップの期間が長いのは僕に限ったことではなく、ブラウン社会学部では1年生は全員TAやRA免除でフェローになることができ、2年目も何らかの形でフェローとして生活する人が同期15人中の10人前後で大半ある。なお、TAに忙殺される他の大学の友人の話を聞いているとブラウン社会学部の院生はかなり経済的に恵まれているようである。
<博士課程のこれまでと今後の主な予定>
2016-2017年:博士0年生(25歳)2016年12月:出願
2016年3月:合格
2017-2018年:博士1年生(25-26歳)
給料形態:Fellow
2017年9月:入学
2017年12月(26歳/1年生):コースワーク計4科目取得
2018年5月(26歳/1年生):コースワーク計8科目取得
<----------現在ここ!---------->
2018-2019年:博士2年生(26-27歳)
給料形態:Fellow
2018年12月:コースワーク計12科目単位取得
2019年2月:2nd Year Paper ドラフト(修論)提出
2019年4月:2nd Year Paper 完成版(修論)提出
2019年4月:コースワーク計16科目取得
2019年5月:修士号取得
2019年6月:プレリム試験(社会人口学!?)
2019-2020年:博士3年生(27-28歳)
給料形態:TA
2019年12月:コースワーク・TA計20科目取得
2020年1月:プレリム試験(社会階層論!?)
2020年4月:コースワーク・TA計24科目取得(全単位取得修了)・TA義務完了
2020-2021年:博士4年生(28-29歳)
給料形態:TAまたはRAまたはFellow
2021年12月:博士候補資格口頭試問
2021-2022年:博士5年生(29-30歳)
給料形態: Fellow
2022年8月:博論完成→審査?
2022-2023年:博士6年生(30-31歳)
給料形態:Fellow
2023年1月:AP・ポスドク・民間就職先確保
2023年5月:博士課程修了(博士号取得)
上記はあくまで「予定」であり、この通りにいく保証はないし、そもそも途中でクビを切られる可能性だってある。つい先日もプレリム試験に落ちた先輩が強制退学になったという話を聞いた。ただ、こういう他人の失敗話はあまり気にせずに何事にもベストを尽くすしかない。自分にとって今年の山場は2月と4月に締め切りがある2nd Year Paper(修論)と一つ目のプレリム試験である。修論はもう動きはじめており、来月くらいからはプレリム試験の勉強にも本腰を入れていこうと思う。
2018年8月19日日曜日
米のアカデミアの履歴書(Curriculum Vitae)
普段からとてもお世話になっている社会学部の技術職員の方から近々学部HPを刷新して全PhD学生のCVを載せるので送ってほしいというメールが来た。自分の名前が検索された時に常にブラウンのページが上位にきて、そこに見栄え良く自分の情報が載っていることが大事らしい。先学期はオンライン上での研究者としての自己PRを院生と考えるセミナーが教員主催で開かれ、おそらくその延長線上にこうした取り組みある。
CVはCurriculum Vitaeの略で、自分の氏名、連絡情報、履歴、業績、その他アピールポイントをまとめた書類。Resumeと互換的に用いることもあるが、Resumeは1-2ページの短い簡潔なものを指すのに対し、CVは細かい情報も載せるのが慣例で、年配の大御所教員になると10ページくらいある人もいる。
大学院出願の際に提出する必要があるので2年前に一度作成してはいたのだが、渡米して自分の作っていたCVが綺麗に見えないことに気づき、改めてCVを作成し直した。
米国のCVのイメージがわかない方もいるので参考にここに僕が本日作成したものを載せておく。色々な作り方があるので、他の方のも参考にされたい。なお、大学院出願のために作る際にはEducationのところに卒論や修論のタイトルや指導教員の名前を入れるなどして工夫してもいいかもしれない。正直なところ、僕のような第一著者の査読論文がまだゼロの人がCVをネットに晒しても何の意味もない気がしているのだが、学部の方針で下級生含めて全員HPにアップロードするようなので仕方ない。ちなみにこのCVを作るためにブラウンの社会学部のD4-6の人のCVを一つ一つ確認していたのだが、第一著者の論文業績がゼロorかなりマイナーなジャーナルに1本の先輩が結構多く、自分の未来が少し不安になってしまった(注1)。また、お隣のMA州にある某H大やNJ州にある某P大のように院生中に社会学三大誌(ASR、AJS、Social Forces)に第一著者で載せているような化け物がいないことも改めて確認された。ただし、Social ProblemsやSocial Science Researchのようなジェネラルの上位誌やSocial Science &Medicineのようなサブフィールドのトップ誌に論文を載せている先輩は存在したのでその人たちを目標に頑張ろうと思う。(なおサブフィールドトップに二本載せて今年博論を提出された優秀な先輩はアカデミアに興味がなくなったようで、専門を生かせる民間企業に就職してしまった。)
注1・・・米国の経済学のAPのジョブマーケットでは論文業績0本のままD5かD6でジョブマーケットに出るというのはかなり普通のことだと聞いたが、社会学だと少なくとも1本ランクの高いジャーナル(印象としては最低でもサブフィールドで上位5位くらいまで)に掲載決定していないとAPとしての就職は厳しそうである。米の社会学ポスドクのジョブマーケットがどれくらいの業績を求めるのかは未知で、人気ないポスドクポジションなら0でもいけるのかもしれないので0の人も何とかなるのかもしれない。なお、僕の場合、業績の数がかなり重要になってくる日本のジョブマーケットでのAP/ポスドク就職も考えているので、D6までに少なくともどこかに2本くらいないと研究者としての帰国はできなさそうだ。
CVはCurriculum Vitaeの略で、自分の氏名、連絡情報、履歴、業績、その他アピールポイントをまとめた書類。Resumeと互換的に用いることもあるが、Resumeは1-2ページの短い簡潔なものを指すのに対し、CVは細かい情報も載せるのが慣例で、年配の大御所教員になると10ページくらいある人もいる。
大学院出願の際に提出する必要があるので2年前に一度作成してはいたのだが、渡米して自分の作っていたCVが綺麗に見えないことに気づき、改めてCVを作成し直した。
米国のCVのイメージがわかない方もいるので参考にここに僕が本日作成したものを載せておく。色々な作り方があるので、他の方のも参考にされたい。なお、大学院出願のために作る際にはEducationのところに卒論や修論のタイトルや指導教員の名前を入れるなどして工夫してもいいかもしれない。正直なところ、僕のような第一著者の査読論文がまだゼロの人がCVをネットに晒しても何の意味もない気がしているのだが、学部の方針で下級生含めて全員HPにアップロードするようなので仕方ない。ちなみにこのCVを作るためにブラウンの社会学部のD4-6の人のCVを一つ一つ確認していたのだが、第一著者の論文業績がゼロorかなりマイナーなジャーナルに1本の先輩が結構多く、自分の未来が少し不安になってしまった(注1)。また、お隣のMA州にある某H大やNJ州にある某P大のように院生中に社会学三大誌(ASR、AJS、Social Forces)に第一著者で載せているような化け物がいないことも改めて確認された。ただし、Social ProblemsやSocial Science Researchのようなジェネラルの上位誌やSocial Science &Medicineのようなサブフィールドのトップ誌に論文を載せている先輩は存在したのでその人たちを目標に頑張ろうと思う。(なおサブフィールドトップに二本載せて今年博論を提出された優秀な先輩はアカデミアに興味がなくなったようで、専門を生かせる民間企業に就職してしまった。)
注1・・・米国の経済学のAPのジョブマーケットでは論文業績0本のままD5かD6でジョブマーケットに出るというのはかなり普通のことだと聞いたが、社会学だと少なくとも1本ランクの高いジャーナル(印象としては最低でもサブフィールドで上位5位くらいまで)に掲載決定していないとAPとしての就職は厳しそうである。米の社会学ポスドクのジョブマーケットがどれくらいの業績を求めるのかは未知で、人気ないポスドクポジションなら0でもいけるのかもしれないので0の人も何とかなるのかもしれない。なお、僕の場合、業績の数がかなり重要になってくる日本のジョブマーケットでのAP/ポスドク就職も考えているので、D6までに少なくともどこかに2本くらいないと研究者としての帰国はできなさそうだ。
2018年8月18日土曜日
プロビンスタウン(コッド岬)
先週末は夏のRA業務や研究から休みをとってボストン経由でマサチューセッツ州プロビンスタウン(僕が住んでいるのはプロビデンス)を旅行してきた。プロビンスタウンはケープコッド(コッド岬とも呼ばれる)の先端にある街であり、高校の地理で習う典型的な砂嘴(さし)である。
ちなみにプロビンスタウンは現在のアメリカ合衆国の建国の祖とされるピルグリムファーザーズ(アメリカの建国の元となったプリマス植民地を形成したピューリタンたち)がメイフラワー号で最初に上陸した地であり、有名なメイフラワー号誓約が署名された場所である。アメリカ建国史では対岸のプリマスと共に極めて象徴的な街だ。
ボストンからはBoston Harbor Cruises(BHC)とBay State Cruise Companyの2社がそれぞれ別の場所から高速フェリーを出している。今回はBHCを利用したのだが、所要時間は片道約90分で、料金は往復で$93であった(片道は$61)。地図からも想像がつくと思うが、ボストンやプロビデンスから陸路でプロビンスタウンに向かうとなると車や電車で陸路を大回りせねばならず、小型飛行機もあるが、値段を考えるとフェリーが現実的な選択肢である。ボストンでのプロビンスタウン行きのフェリー搭乗がちょうど雨が降ったあとで、虹を見ながらの旅だった。
プロビンスタウンにはピルグリムファーザーズの上陸を記念するピルグリム記念碑(Pilgrim Monument)がある。1907年の礎石設置はセオドア・ルーズヴェルト大統領が、1910年の献堂はウィリアム・タフト大統領が執り行ったようだ(Pilgrim Monument公式HP)。頂上まで登ってプロビンスタウンを見渡すことができる。塔の下にはメイフラワー号誓約を記念する博物館もあり、観光にはおすすめ。下の写真は記念碑の塔とその頂上から見渡した景色。砂嘴の形がわかるだろうか?
ちなみにプロビンスタウンは一時ポルトガル人の漁師たちが大量に移民した時代があるらしく、ポルトガル系のレストランが多かった。写真を撮ったり名前をメモするのは忘れてしまったが、ポルトガルのカスタード入り揚パンがとても美味しかった。今後も気分転換にもっとアメリカを旅したい。
ちなみにプロビンスタウンは現在のアメリカ合衆国の建国の祖とされるピルグリムファーザーズ(アメリカの建国の元となったプリマス植民地を形成したピューリタンたち)がメイフラワー号で最初に上陸した地であり、有名なメイフラワー号誓約が署名された場所である。アメリカ建国史では対岸のプリマスと共に極めて象徴的な街だ。
ボストンからはBoston Harbor Cruises(BHC)とBay State Cruise Companyの2社がそれぞれ別の場所から高速フェリーを出している。今回はBHCを利用したのだが、所要時間は片道約90分で、料金は往復で$93であった(片道は$61)。地図からも想像がつくと思うが、ボストンやプロビデンスから陸路でプロビンスタウンに向かうとなると車や電車で陸路を大回りせねばならず、小型飛行機もあるが、値段を考えるとフェリーが現実的な選択肢である。ボストンでのプロビンスタウン行きのフェリー搭乗がちょうど雨が降ったあとで、虹を見ながらの旅だった。
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| ボストンからプロビンスタウンへ向かうフェリーから見えた虹 |
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| ピルグリム記念碑 |
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| 記念碑の頂上からの眺め |
ちなみにプロビンスタウンは一時ポルトガル人の漁師たちが大量に移民した時代があるらしく、ポルトガル系のレストランが多かった。写真を撮ったり名前をメモするのは忘れてしまったが、ポルトガルのカスタード入り揚パンがとても美味しかった。今後も気分転換にもっとアメリカを旅したい。
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